登場人物

茅部 英雄(かやべひでお)   鈴木家書生 
小久保(こくぼ) 良平     鈴木家書生
鈴木 三郎助社長 「味の素」の創始者
別荘の住人たち
大森 大輔 氏        退役陸軍大佐 
海野 比羅夫(うんのひらお)氏 外交官
海野 康子夫人
須木谷 菊蔵(すきやきくぞう)氏 銀行家
那須野 茂秋(なすのしげあき)子爵 実業家
林 麗子嬢          海野氏の姪
本荘 智津(ほんじょうちづ)嬢 本荘男爵の娘
歌塚 礼嬢          学友
木持 千夏(きもちちなつ)嬢  大森大佐の姪
古津 更太(ふるつこうた)氏  化粧品会社社長
半場 雅(はんばまさし)氏   大学教授
浅利 澄蔵(あさりすみぞう)氏 元海軍中佐

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 明治政府は戸籍を管理するために、それまで姓を持たなかった人に、武士公家以外の大部分ですが、姓を名乗るように命じました。字の書けない人もたくさんいますので坊さんや名主さんに頼んでつけてもらうのが一般的でした。もちろん由緒正しい名前はダメです、自主規制します。佐藤・鈴木・高橋・田中が圧倒的に多くなりました。名の方も兵衛や衛門は旧時代の雰囲気で好まれず、正・義・忠・孝・彦などの文字が、女の子は千代・春・梅・ハナなどに「お」をつけて呼ばれました。