コロナ6波に備えようとキャンペーンしているがそれどころではない、何でも値上げだ、ガソリン電気ガス。それでワクチン接種も有料にすると言いはじめた、国民が自主的に6波に対応してください国の責任はありませんということだ。再選された岸田首相の初仕事さ、薄情だね。

    新しくパン屋が、のぞいてみた、はずんだ声がかかったよ。
「いらっしゃい、新規開店です」
 なんだ見知りの肉屋さんじゃないか。
 ここのところキャンペーンが当って観光客が増えてきた。ただの肉屋でコロッケ、メンチ、トンカツでは協力できないから考えたのさ。コロッケ2つですねありがとうございました、それでは利益が薄いし店で立ち食いされては迷惑だ。それで進化して惣菜パンだよ、自慢そうだ。はさむ物はたくさんある、油で揚げパン、揚げドーナツさ。カレーだって挽肉たっぷりのキンマカレー、餃子の具を進化させて肉マンとはどうだい。
「肉屋のムダを全て包み込んだよ、これってエコだよな」
 近頃この町にはお洒落なパン屋が増殖している、キッチンカーまで来ているが薄手のカップにチリンとスプーンを当てて格好良く食べるような横文字名前のパンばかりだ。ふりかまわず砂浜でワシワシ食うような惣菜パンではない。
「始めたら表がパン屋で肉屋が裏になっちゃった、様変わりさ。だけど妙に欲求不満なんだよな…肉を切る快感が減ったからさ」
 包丁をよく研いでスッと霜降りの所を切ると鮮やかな断面がスッと分かれる気分のよさ。
「エコっていうは残り物の尻拭いだろ、贅沢は敵だと言われているみたいだよ」
 親父がご高説を述べ始めた。
 諸葛孔明は肉マンを生首の代りにした。地獄では銅の柱を真赤に焼いて罪人をバーベキューにする。魔女も八百屋お七も火で炙って焦げ目をつけたんだ。だんだん親父の目付きが変わってくる。あわてて辺りに包丁がないことを確認した、パン屋のトングならつかまれても逃げられる。
商売替えってのはストレスのたまるものだね。

 七五三はすっかり復活したよ、晴れ着の列ができている。親の願いは我が子の成長、それにかこつけてお洒落着で外出したいのさ。しかし忘年会は復活しない、若者同士の飲み会は盛んでも会社の宴会は減るばかりだ。リモート会議でクールに決めれば忘年会など即否決さ、年功序列、忖度、顔つなぎ、待なんか死語に近づいた、ただそれが良かったのかの評価はこれからだからね。

     次へ