アメリカは1日あたりの感染者12万7千人だと!トランプは強気だね。日本政府はコロナ対策で印鑑を廃止することにした、接触を避けるため、つまり外圧さ。黒い文字に赤い印鑑は彩りが良かったのだけれどね。印鑑業者には補助を出すそうだ。補助とか給付とか大盤振る舞いだよ、いずれツケが回ってくるね、消費税が20%かな。図書館も貸し出しカードをトレーに置かせて互いに触らないようにしている。 
 三菱がジェット機開発を断念したよ、航空会社もエアバスもボーイングも虫の息なのだから仕方ない。第一、完成しても買い手がないだろう。 

 今年は短い革ジャケットに柔らかい布地のフレアースカートが流行っているようだ、たぶんマスクに合うファッションなんだろう。そのマスクもデザインが多様になって個性で選べるようになった。以前は白一色だったから口裂女なんていうのが子どもたちを怯えさせたものだ。私、綺麗?と聞く、さっとマスクを外すと耳まで裂けた口、整形手術に失敗したというのが現代的説明さ、でも泣いている女が顔を上げるとノッペラボウだったなんていうこの手の怖い話は昔からあった。擬似フェミニン男がひどいめにあうという笑いが含められている。 
 アニメの登場人物に似せるというお洒落もある、なにしろカワイイ文化だからね。コスプレは顔出しだから容姿に自信がなければだめだけどマスクさえしていれば誰だか判らない安心感があるのかな。 
 ツンデレも死語に近いな、見かけはツンツン中身はデレデレ、そういうドラマが多かったよ。ツンツンのうちに事件が起きてデレデレとハッピーエンドに終わる、擬似フェミニン男のファンが役も生身の人格も判らなくなって女優さんを困らせたものだ。上司にしたい女性などというランキングもあったよ。怜悧さ、決断力、抱擁力、そして美しいこと。本物の女性上司が腹を立てて部下にしたい男ランキングなどと反撃したものだよ。 
 少し前はお茶目で甘えんぼの妹が流行った、それ以前に一人っ子という時期もあったかな。強く頼りになるお姉さんに代わって、今は賢く気鋭な妹になった。アイドルグループの娘が歴史や化学や報道の番組に出て解説やコメントする、そのうちにオカルト怪奇とかスピリチュアル神秘な女の子が天下を取るかもしれない。 

 大山の頂きは真っ黒だった。冷たい星が輝いている。葉を落とした木々は装うことなく立ち尽くしている。波が寄せている。その轟きだけが聞こえる。ずっと尾根を歩いていけば海が見え、まっくらな中に雪の富士山の白い姿も見えるかもしれない。 

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