緊急事態宣言が月末まで継続されることになる。小池都知事は新しい生活様式が何かを具体的に示せなかった。欧米では握手とキスができなくなったからお辞儀やヒジをぶつけあう挨拶を始めた、それがウイズコロナだと言い出した。しかし日本では馴染みそうもないよね。 

 さっきコンビニのレジ娘が微笑んだ、それがなんの合図か不安になった。単に、いい爺が駄菓子を買って孫に頼まれたんだと言い訳をしたのがおかしかったのだろう、しかしそれだけか、もしかするとアプローチが死をもたらすものかもしれない。 
 ちかごろ男を抹殺するのを使命とする女たちがいるそうだ、事故や自殺、失踪に見せかけて不都合な男を消失させる。国家的なプロジェクトで理想的な国民をつくる、まるでナチスの追随だね。けれど家畜を扱う産業ではどこもやっていることだよ。 鶏の子はせっかく卵からかえってもメスしか生きられない、ラインに乗せられて一瞬のうちに選別される、ただ生を与えられたメスの生涯も幸せなものとは言えないがね。 
 個人的にもネットで依頼すれば応じてくれる。実行するのは若い娘たちだ、自分の魅力で男たちを引き込んで処分する、同じような顔つきだが服装がほんのちょっと違うのが、まるでAKBのように役割とステイタスを表している。安心したまえ高齢者は除外だ、なにしろ生産意欲と生殖能力がないからね。   
 これはまったくドラマさ、妄想は老人の行きつくところ、怖いね。しかし若い娘にいざなわれて艶っぽく最期を迎えるなんてのもいいな。 

 桑の実が熟して雨に濡れていた。たぶんキイチゴもサクランボもちょうど食べ頃だろう。昔は子どもたちに採らせて瓶につめて発酵させたもんだ。口をしっかり閉ざしておかないと栓が飛ぶ、シャンパンと同じだ。いつ飲めるか見はからうのは難しいが、鮮やかな赤い酒ができあがる。もちろん子どもには飲ませないさ、辛口で度数も高い。昔は酒造法にひっかかるとか口止めしたものだが今は果実酒がOKだから、心配だったら氷砂糖をひとかけらとブランデーをひとたらし落としておけばいいんだろう。 

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